大学ランキング


先日Harvard大学のロースクールが雑誌U.S. News & World Reportのランキングから離脱する、ということを発表した。New York Timesの記事によれば、Yale、Stanford、Georgetown、Columbia、UC Berkeleyといった他の名門大学もランキングへの協力を辞退するという。Harvard大学はU.S. Newsのランキングの方法が学生の多様性を阻む方向に作用しかねないことを離脱の主な理由に挙げている。たとえば、LSAT(標準テスト)の点数や大学の成績を重視しすぎていることについて本当に援助が必要な人よりも点数が高い人に奨学金を与える方向にインセンティブが働くようになると指摘する。今回の件はロースクールについてだがランキングに対する批判は以前からあり今後学部のランキングにも波及する可能性がある。

U.S. Newsのランキングほど行き渡っている大学のランキングは日本にはないが予備校が公表する各大学の偏差値がその代わりになっているところがある。偏差値は大学の教育や学生の質の高さを保証するものではないが一定の相関性はあるから参考にはなる。早稲田大学政治経済学部と慶應義塾大学経済学部のどちらが上か、といったことはほとんど意味がないが、偏差値で50~60、60~70みたいなグループに分けて考えることは大学を選ぶ上でそれなりに役に立つ。市場の効率性を信じれば学力が高い人が選ぶ学校の方が「いい」学校である可能性が高い。ただ、当然ながら偏差値は1つの指標に過ぎず、受験生の大学学部選びの参考にはなっても決め手にすべきものではない。

U.S. Newsのランキングは偏差値より多様な指標を使って評価している。卒業生の満足度を測るのに寄付の金額を集計したり、教員の質を評価するのに教員の給与を調べたりしている。対象としている大学は1500校あり、そこから自分の受験すべき大学を選ぶ上で、ランキングが役に立つ部分は少なからずある。

ただ、あらゆるランキングについて言えるが順位をつけるためには視点を選ばなければならずそれが万人にとって納得のいくものには決してならない。1つのランキングにすると頭の中で整理しやすいのでその方が好まれがちだがそこには常に大きな偏りがある。FIFAランキング51位のサウジアラビアが3位のアルゼンチンに勝ち、24位の日本が、11位のドイツに勝つ。ランキングとはそういうものだ。結局他の人が決めたランキングは一つの参考になるだけで最後は自分の基準で順番を決めなければいけない。日本の大学受験においては今後入試の多様化が進むにつれてますます自分視点での評価が大事になってくる。


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