就活ルール


経団連の中西宏明会長が就職活動について2021年度から面接の日程などのルールを廃止する意向を表明し議論になっている。大学側からは反発の声が上がり、安倍首相が早速現状ルールの維持を求める発言をしたそうだが、私はどちらかというと面接一斉スタートの現状に違和感を持っていたので就活ルールは廃止してもよいのではと思う。大学4年生が一斉にリクルートスーツ姿になり、染めていた髪の毛の色を元に戻し、企業回りする姿を見ると効率はよいのかもと思いつつ、多くの企業が画一的な人材を求め、学生側もそれに合わせて型にはまった活動をしているようで、日本の企業の今後について少し心配になる。だから「経団連が採用の日程に関して采配すること自体に極めて違和感がある」「日程だけの問題ではなく、企業が人材をどう採用し、育てるかは個社の方針」という中西氏の考えには共感できる。

ルールの廃止に反対する人の多くが根拠として挙げるのは学業への影響だ。就活のタイミングを規制しないと就活期間が長引き、その分学業が疎かになるという主張だ。就活時期も早まり場合によっては大学1年生の頃から就活をする人も出てくるのでは、という懸念を示す人もいる。

就活のルールを廃止すれば、確かに人によっては、長期間に亘って活動することになるかもしれない。ただ、一般的に長期化するかというと必ずしもそうはならないように思う。少なくとも今の就職活動のようにずっとリクルートスーツを着た状態が続くというようにはならないだろう。むしろ多くの人は自分のタイミングのいいときに就職活動をするようになりこの期間に決めなければいけないというプレッシャーもなく学業にも励みやすくなるのではないか。就活のプランを自分で立てやすくなって空いた時間を学生が学業に使うかどうかは別の問題としてあるが。

大学共通テストを複数回実施することが提案されたときも高校生がずっと試験勉強するようになり学校の活動に力を入れられなくなるという批判がなされた。そのときも今回の就活と同様に、高校生の自由度が高まることでむしろ各種活動に打ち込めると思ったのだがそうは考えない人も少なくないらしい。大学が入試を実施できるタイミングも文部科学省によって細かく決められている。

企業側、大学側の自由度を上げて、自分で考えて自分で行動できる大学生、高校生が得するようになればそういった主体性のある学生が多くなる。今回の中西氏の発言は、今後、日本の企業や大学がそのような動きを見せるようになるのでは、ということを少しだけ期待させる。


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