留学という選択


コロナ禍の中でも洋々のメンター(大学生)には現在留学中の人が多くとても頼もしく感じる。いつまた感染が急速に広まるかわからない中で異国の地で生活するリスクはもちろんあるが留学によって得られるものを考えるとそのリスクは積極的に取ってもよいのではないかと思う。留学は行こうと思う人がリスクを取るつもりでも受け入れ先がないと成り立たない。むしろどちらかというと受け入れる側のリスクの方が大きい。実際一旦留学が決まったのにキャンセルになってしまった、という話もよく聞く。そのような中でアメリカやイギリスで国としても大学としても留学生の受け入れを再開しているのは、それぞれの国や大学の思惑があってのことだとは思うが、いずれにしても留学を希望する学生にとっては有難いことだ。

一方で日本では国の渡航制限もあり現状留学生の受け入れがあまりできていないと聞く。早稲田大学国際教養学部では2019年11月時点で193名の交換留学生が在籍していたが、2021年11月時点では23名に減っている。派遣はできるけど受け入れができず交換留学の協定校から提携を解消されることを心配する大学関係者の声もある。1日3,500人の渡航制限を3月には5,000人に戻すということだが、留学生の受け入れを増やすためには不十分だろう。

国立青少年教育振興機構が日米中韓の高校生の留学についての意識を調査しているがその報告書によれば日本の高校生は4か国の中で留学に興味を持つ人の割合が最も低い。しかもその割合は2011年より直近の2018年の調査でより低くなっている。その後のコロナ禍による訪日外国人数の激減で高校生の海外への関心がますます下がっている可能性は高い。大学で留学生に出会うこともなく、海外の文化に直に触れる機会がないとますます内向き志向に拍車がかかりそうで心配だ。

日本が今それなりに豊かな国であるのはアメリカやヨーロッパの先進国はもちろん、アジア、中東、南米、オセアニア、アフリカの様々な国といい関係を築いてきたことが大きい。そしてその関係のベースはやはり1対1の人と人との関係にあると思う。コロナ禍であっても権威主義が横行しても基本的には今後ますますグローバル化が進む可能性は高い。テクノロジーのおかげで現地に行かなくてもできることが増えているし、仮想空間の発展がどのような影響を及ぼすかはまだわからないが、実際人と人が会うことの重要性は少なくともしばらくの間は変わらないだろう。留学したり留学生を受けいれたりというのは1対1の交流の第一歩になる。コロナ禍の完全な収束はいつになるかわからないし、それが訪れるかどうかも定かではない。徒に待つことなく、留学したい人、できる人は今すぐ行ったらいいし、海外からの留学生も積極的に受け入れ始められるといい。


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