目的的


大学受験において志望理由を聞かれたときに答えるべきことは一義的には(当たり前だけど)なぜその大学学部で学びたいのか、ということだ。他にいろいろな選択肢がある中でどうしてその大学学部なのか、なぜそこでなければいけないのか。それを語る上で自分の過去、現在、未来について伝えることは一つの有効な方法になる。これまで~をやってきて、今~に関心があり、その延長線上で将来~を実現したい、今の自分と将来なりたい自分の間にはギャップがあり、これからそのギャップを埋めていきたい、そのギャップを埋めるためには~や~を学んでいく必要がある、○○大学○○学部ではまさにその学びができる、だから、その大学学部を志望する、という感じだ。実際、洋々でも多くの受講生がそれぞれの形は違えども、概ねその構成に沿うような流れで志望理由書を書いて総合型選抜や学校推薦型選抜に合格してきた。将来の目標を掲げることで、勉学の必要性が伝わりやすくなる。説得力のある志望理由書を書く上での定石と言ってもよいだろう。特に、医学や建築等、その道のプロに育てることが前提の学問であれば、将来実現したいことのために学ぶ、というのは自然に感じる。法学や経営学でも何か目的があって、そのために学びたい、というのは説得力がある。

ただ、定石は一つの手段に過ぎず、そうでなければいけない、というわけではない。学問を追究したいのは何かの目的があってのこととは限らない。たとえば、文学部や理学部での学びは何かを実現するためのものなのだろうか。人間とは何か、宇宙はどのようになっているのか、といったことを知りたいのは、将来の何かのためではないだろう。純粋な好奇心から学びたいと思う気持ちは、むしろ学問の本質で、目的的になり過ぎない方が尊さを感じさせることもある。そのような受験生に対して、それが将来どのような役に立つのか、と聞くのは愚問だ。

もちろん社会の役に立ちたいから学問を学ぶというのは立派で好感が持てる。一方で、役に立つかどうかわからないけど本人の好奇心の赴くままに真理を追究したい、というのもそれはそれで立派だし、アカデミックの世界ではそちらの方が好まれることもある。


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