自己アピール資料
自民党の総裁選が告示され過去最高の9人が立候補を届け出た。実質的に次期首相を決める、重要な選挙だが党員以外の一般人に投票権はない。とはいえ、投票権のある議員にとって次の選挙で自身が当選するために国民からの支持率が高い人に党首になってもらうことはとても重要で国民の声はそれなりに尊重される。それぞれの候補者にとって直接的に重要なのは議員票と党員票でそのためのアピールが最優先にはなるが、それらを得るためには国民の支持も必要になるので内輪だけの選挙にはならず票にはならないものの外向けのアピールもする。3~4人程度の候補者であればそれぞれの候補者の特徴を把握することができて論点も明確になっていくが、9人いると誰が何を言っているのか把握するのが難しくなり個々の候補者の主張は埋没してしまいがちだ。
総合型選抜では白紙に自由に自己アピールさせるような書類を課すケースが少なくないが、9人どころか数十人、場合によっては100人以上の書類を見る試験官から見ればどれも似たような書類に見えるだろう。受験生にとってはこの手の書類を作成するのは初めてでそれなりに自分で考えてそれなりの書類ができたという感触があっても読む側からすれば似たり寄ったりのものに見える可能性がある。総裁選に出るような、自己アピールに長けた政治家でもたった9人の中で埋没しがちなのに一般の大学受験生が効果的にアピールするために何ができるだろうか。
大事なのはたくさんの同じような書類を読む試験官の視点を意識しながら資料を作成することだ。自分が政治家の主張を聴くのと同じようなイメージを持つのでもよいかもしれない。そうするといくら自分にはリーダーシップ力がある、やり遂げる力がある、コミュニケーション能力がある、と言ってもあまり響かないことが想像できる。皆が同じように主張しているとたくさんの資料を読む側には誰にリーダーシップがあって誰のコミュニケーション能力が高いのかわからなくなる。加えて、細かいところよりも資料全体の印象で評価されがちであるというのも意識できるといい。一言一句すべて読んでもらえる可能性は低いし、ぱっと見の印象で判断されることもある(私たちもそのように政治家の主張を判断しがちだ)。一方で細かいところが目に留まってそこで判断されることもあるので、すべての表現において手を抜くことはできない。
幸いなことにほとんどの総合型選抜では1人だけが選ばれるわけではない。それなりのアピールができてそれなりの評価が得られれば合格することが可能だ。とはいえできることなら総理大臣を目指すくらいの気概で自分をアピールする資料作成に臨みたい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。