議員のなり手


本日投開票の統一地方選の候補者の方々を見ていて思うのは民意の反映というのはなかなか難しいということだ。今回に限った話ではないが選挙によっては大変失礼ながら積極的に投票したいと思う候補者がおらず、かなり消極的に自分の理想の候補者に最も近い(それでもかなり遠い)人を選ぶ。もし多くの有権者がそのような感じで投票しているとしたら、確かに民意の反映はされてはいるけれど、当選した人がその地域の人の支持を得た、と自信満々に言うのはちょっと違うかも、と思ってしまう。

それでも定員を上回る候補者がいるだけでも有難いことなのかもしれない。今回の神奈川県の県議会議員選では、全47選挙区のうち12選挙区で定員を超える候補者がおらず無投票になっているという。総定数105の17%にあたる18人は投票なしに議席を得ることになる。無投票の選挙区ではどんなに候補者の政策に反対していても有権者は自分の意思を反映させることができない。できるのは代わりに自分が選挙に出ることくらいだろうか。

言うまでもなく選挙に出るのは大変だ。一定の得票数がないと供託金は没収されるし、ポスターやビラの作成費も自己負担になってしまう。それ以上にリスクが大きいのは自分のキャリアへの影響だ。仕事を続けながら選挙活動をするのは難しく、当選しようと思えば仕事を辞めざるを得ないことがほとんどだろう。ただ、仕事を辞めて選挙に専念したからといって当選が保証されるわけでもない。首尾よく当選したとしても地方公共団体の議員の任期は4年で終わる。その後の保証は何もない。議員を続けたくて次の選挙に出ても落選すれば「ただの人」になってしまう。

神奈川県議会議員の議員報酬は月額970,000円となっており、他に期末手当が数百万円分あるようなので、日本人の平均収入と比較してかなりの高額になっていると思うが諸々のリスクや責任の重さを考えると妥当な線なのかもしれない。民主主義を守るためにも議員になりたいと思う人が一定数出てくるようにしなければいけない。自治会やPTAの役員のように、なり手がいなくなっては困るのだ。

立候補している皆さんへのリスペクトと感謝の気持ちを持ちながら投票してこようと思う。


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