一応
高校生と話していてふと思ったのだが一々「一応」をつける人が多い。
「一応、サッカー部でキャプテンやっています。」
「一応、東大を受験する予定です。」
よく考えたら高校生だけでなく、社会人でも多い。
「一応、プログラマやっています。」
「一応、資格もっています。」
「一応、資料用意しておきました。」
控え目な日本人特有の言い方だろうか?英語にうまく訳す言葉が思いつかない。「kinda (kind of)」は少し似てるし、日本人の「一応」なみに連発する英語のネイティブスピーカーも多いが、ニュアンスは少し違う。
そういう自分も、仮にプロ野球選手と話す機会があれば、「一応、自分も野球やってました」と言ってしまいそうだし、囲碁のプロ棋士と話す機会があれば「一応、自分も囲碁やってます」とか、言ってしまいそうだ。毎日ブログ更新している人に対しては、「一応、自分もブログやっています」とか、言ってしまいそう。
「一応」をつけるのは、控え目というよりは、自信のなさの表れだろう。自分なんかが言うのはおこがましい、という気持ちがある。自信満々なのに嫌味な感じの「一応」を使う人もいなくはないが、多くの場合、使うのは自信がないときだろう。
自分でもついつい言ってしまいそうな一方で、他の人が言っているのを聞くと、言わなくてもいいのにと思うことが多い。上手いか下手かしらないけど一生懸命やっていることに対し、「一応」なんて言わなくてもいいのに、と思う。謙虚であることはとても大事だと思うし、自分もいつも謙虚でありたいと思う。ただ、「一応」は謙虚さと似つつも、実は違うものだ。謙虚でも自信を持っている人は「一応」は使わない。謙虚さと自信を併せ持つことはとても難しいことではあるが、相矛盾するものではなく不可能でもない。
思い入れが足りないと自信がなくなり「一応」という言葉が出てくる。本気で毎日野球をやっている人は「一応野球やってます」とは言わないだろう。どんなことでもやるからには自分の思いを込めてやり、極力「一応」ではなく本気でやっているようにしたい。
自信のないことについて、強がって、自信があるように見せる必要はない。私の場合、たとえば「一応、第二外国語はドイツ語でした」ということにはおそらく一生「一応」がつく。ただ、今後本気で取り組もうと思っていることについては、決して「一応」という言葉が口から出てこないように、とことんやっていきたい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。