時間の進み方
毎年、年の瀬になるといかに月日の経つのが速いか、いかに1年が飛ぶように過ぎていくのかを思わずにはいられない。しかも年を重ねれば重ねるほど時間の経つのが速く感じる。
以下はあまり根拠のない私の仮説だが、新たな学びが少ないほど時間は速く進むのではないだろうか。毎日新しい発見ばかりの子供の頃とは違い、大人になると新しい刺激も少なくなる。大抵のことは今までに経験した何らかのことに近い。そうなると記憶すべき量も減る。初めて通る道は印象深く、多くの情報が新たに脳に刻まれる。しかし、毎日同じ道を通っているとその道を通ることによって新たに刻まれる情報は少ない。その場合、道を通るのに同じ1時間を使ったとしても新たに残る記憶が少ない分時間が経つのが速く感じるのではないだろうか。
人は同じことを繰り返すとそれをパターン化して考える。パターン化すると記憶すべき情報量が減る。囲碁や将棋の棋士が短い時間に数多くの手を読めるのはある程度パターンで局面を理解するからだろう。全く同じ局面でなくても似たような局面を何百、何千と経験することで、その場で検討すべき量を減らすことができる。自分が普段通る道であれば、たとえ道の一部に通行止めがあって迂回することになってもその日に通った道順を覚えることは難しくない。「いつもの道」+「A地点で迂回」、というような少ない情報量で覚えることができる。パターン化することは物事を自分で理解して自分のものにすることであり、学習するということでもある。言うなれば進歩であり、もちろん悪いことではない。しかし、すでに自分の中でパターン化されている行動ばかり繰り返していると新たに刻まれる情報が少なく時間ばかり経ってしまう。
もちろん繰り返し自体が悪いわけではない。何かを習得するのに繰り返しは必要だし、そこから刺激を得られているうちは脳に刻まれることもたくさんあるはずだ。ただ、惰性で行動するようになると学びも少なく振り返ったときの時間の進みも速い。大事なのは行動そのものより気持ちの持ち方かも知れない。同じ行動を続けてもそこから学ぼうと思う気持ちが強ければ大人でも成長できるし充実した長い時間を過ごすことができるのではないか。どんどん新たな挑戦を繰り返し、マンネリ化しないように心掛けることで時間の進みを緩めることができるかもしれない。
ということで来年は新たなことにたくさん挑戦し、1年を振り返ったときに今年はちょっと長かったと感じられるような年にしたい。仮説が間違っていてやはり時間の経つのが速かったとしても、少なくともたくさんチャレンジしたと思えるような1年にしたい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。