バッチ処理とリアルタイム処理
バッチ処理とリアルタイム処理という言葉がある。コンピュータの仕事の処理の方法に使われることが多いが、前者はある程度まとめて一気に仕事をする方法、後者は反対に仕事が入ってくる度に処理する方法を指す。仕事の種類によって向き不向きがある。
人間の仕事においても、特に事務作業については、まとめて行うバッチ処理と逐次行うリアルタイム処理の2種類の方法を選べる。当然、仕事によっても、その仕事を行う人の性格によっても、どちらの方法で処理すべきかは変わってくる。ただ、多くのケースで必要以上にバッチ処理が選ばれがちだ。バッチ処理は、予定通り行えれば効率がよい、一気に処理できるので気持ちいい、後回しにする言い訳になる、といった選ばれやすい要因がある。面倒な仕事はある程度ためておいて一気にまとめてやっつけよう、と考えがちなのだ。家計簿の入力、経費精算、書類の整理、机の上の片付け、まとめてやった方が効率的に思える。実際、効率の観点からはバッチ処理の方がリアルタイム処理より有利なケースが多い。
しかし、コンピュータではバッチ処理の方がよい場合でも、人間が行う際には、リアルタイム処理の方が適している場合もある。コンピュータはどんなに仕事が積みあがっても黙々とこなすことができるが、人間の場合、積まれれば積まれるほど仕事を始めるのが億劫になっていく。たまればたまるほど後回しにしがちで、始めるのにより大きなモチベーションを要する。さらにあまり時間がたつと内容や感覚を思い出すのに時間がかかり仕事自体のスピードが落ちることもある。
リアルタイム処理にすると仕事Aを行うための準備をして実行して片づけて、次に仕事Bの準備をして片づけて、さらに、仕事Cの準備をして片づけて、とした後に、また仕事Aの準備をして、という感じになり、同じ準備や後片付けを無駄に繰り返すことになる。少し考えれば仕事AならAでまとめてやった方がよさそうに思える。しかし、一定のペースで処理を行うことのメリットは見落とされがちだ。つい先延ばしにしてしまうことが多い中、多少、効率が悪くても一定のペースで仕事をこなしていくことのメリットは大きい。
リアルタイムでなくても、徒に先延ばしにするのではなくたとえば1日1回とか3日に1回とか決めた上でのバッチ処理であればペースのよさと効率性を両立できるかもしれない。仕事によって、人によって、適切なタイミングは異なるだろうから、自分自身でペースのよさと効率性を最大化するポイントを探っていけるといい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。