学びの負荷
大学生のときに第二外国語としてドイツ語を履修していたがほとんど身についていない感覚がある。実際、学習したことがある、と言うのが恥ずかしいレベルではあるのだが、ただ、他の言語、たとえばフランス語やロシア語と比べたら、知っている単語や文法は多いし、文章を見て何となく意味のわかることもそれなりにある。そうすると、ほとんど何もできないような気がしていても、他のもっとできない言語に比べて、たとえばNHKの語学講座を聞いていても心理的な負担が少なくなることに気が付いた。
普段はあまり意識していないが、よく考えてみると英語、ドイツ語、ロシア語の3つの講座を比べると心理的な負担は英語が最も少なく、ロシア語が最も大きいように思う。たかだか15分程度の講座で、終わった後にテストがあるわけではない。一応テキストを見ながらまともに聞いてはいるけれど、しっかり覚えようと気を張っているわけでもない。どちらかというとかなり気軽な感じで興味の赴くままに聞いているつもりだったが、それでも自分にとって身近に感じられないことをしようとすると脳には負担になることもあるようだ。資格を取ろう、とか、ドイツ人やロシア人と話そう、と考えているわけではなく、プレッシャーはゼロのはずなのだけど、そういうことに関係なく、自分が理解しにくいことがあると、苦痛に感じる部分があるようなのだ。ドイツ語は英語より負担が大きいが、文字を見て発音の方法がだいたいわかるのと理解できる単語がそれなりにあることで、ロシア語より負担が小さくなる。
理解しにくいことに向き合う苦痛は勉強の妨げになり得る。本来楽しいことである知識の習得を途中で投げ出してしまいがちなのは、自分にとって馴染みのないことに対する拒否反応があるからだ。自分が理解できないことに対して負担を感じつつも、好奇心がそれを上回って受け入れられるようであればよいが、そうでない場合は、学習の内容を見直す必要があるかもしれない。できれば、筋トレと同じで、軽すぎず重すぎない適切な負荷をかけられるような学びが望ましい。初めてその分野に触れるときはできるだけ軽めの負荷にして慣れていくにつれて負荷を上げていく。まずまず理解できるけれどまだ学ぶべきことが多い、というくらいの状態だと適切な負荷がかかりつつも、学びを楽しめる状態にしやすい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。