収束しても
緊急事態宣言は明けたけれど、コロナウィルスが消え去ったわけではなく、安心して暮らせる状態からは程遠い。宣言解除以降、国内の感染状況はかなり落ち着いているようにもみえるが、これで終わったとはまだ考えにくく、遅かれ早かれ第6波が来ると考えている人がほとんどだろう。だいぶ慣れてきたとはいえ、方々で体温を測られたり、アルコール消毒を頻繁にしなければいけない状況はまだまだ続きそうだ。マスクもしばらく外せそうにない。
いろいろ面倒だし、早く収束してほしい、と思うが、1年半以上、こういった生活をしてくる中で、だいぶ慣れてきた感もある。仮に今コロナウィルスのことを全く気にしなくていい状態になったらどれだけの解放感があるだろうか?まずマスクを外せるとしたらそれは有難い。慣れてきたとはいっても、外出時にマスクを常につけてなければいけないのは今でも鬱陶しく感じるし、それがなくなればだいぶ気持ちが晴れるように思う。一方でアルコール消毒はかなり習慣化されていて、不要になればいいと思いつつ、それでインフルエンザ等、新型コロナウィルス以外の感染症の予防にも役立つのであれば引き続きやってもよいとも思う。COVID-19に罹患すること自体の怖さは、その確率や致死率の程度から今もそこまで感じているわけではない。国内の感染者の割合が今までの累計でも全人口の1%を超える程度に留まっており、致死率がそのうちの1%程度で、さらにこれまでに亡くなった方の多くが高齢者であることを考えると、もちろん対策はしなければいけないレベルではあるが、65歳未満の人が死に至るリスクがそこまで高いわけではない。逆にコロナウィルスが絶滅しても病気や死のリスクがそこまで下がるわけではなく、癌や心臓の病気、あるいは、事故で死亡するリスクは高いままだ。昨年1年間の国内の死者数は合計137万人だったがそのうちコロナウィルスによる死亡は3,500人程度に過ぎず、癌による死者が38万人、心疾患による死者が21万人いたのとは2桁違う。
そう考えると仮にコロナ禍が収束してももはや日常にそこまで大きな変化はないのかもと思ってしまう。マスクをつけずに生活できるようになったら嬉しいけれど、その解放感は一時的なもののような気もする。よく考えてみれば、マスクをつけることの面倒はそこまで大したことではないし、コロナ禍が収まってマスクをつけなくてよくなる代わりに、人混みが戻って通勤の電車が混雑するようになるとすれば、どちらがよいか微妙なところだ。世界史に刻まれる大きな出来事であることは間違いないし、収束すればもちろん嬉しいけれど、収束したとしてもコロナウィルス以外の様々な問題は残ったままで、種々の鬱陶しさから完全に解放されるわけではない。とすれば収束後の世界にそこまで期待を寄せることなく、今を日常として、日々やるべきことをやっていきたい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。