一歩目
仕事でも勉強でも気が進まないときはある。別に体調が悪いわけではなくても面倒に感じてなかなか取り掛かることができない。やらなきゃいけないと思いつつ、何となくやらずにだらだら過ごしてしまう。もしかしたら体あるいは脳が休みを求めている可能性もあり、だらだら過ごすことが正解で、気力が戻ってくるのを気長に待つべきなのかもしれない。ただ、十分な睡眠を確保できていて食事もしっかり摂れているのであれば、一歩目を踏み出すことのハードルが高いだけの可能性もある。学生時代、明日が試験で勉強しなければいけないというときに、なかなか手をつけられず、ついついテレビで大相撲を幕内下位力士の取り組みから見始め、勉強しなきゃ、とずっと思いつつ、あと一番、あと一番、と思いながら、結局結びの一番まで見てしまう、ということが何度もあった。
仕事も勉強も気が進まない時は一歩目が大事だ。まず机に座ってノートを広げる。そこまでできたら半分出来たようなものだ。なぜ一歩目を踏み出すのがそこまで難しいのだろう?やらなければいけない仕事が厄介であればあるほど、最初の一歩が困難になる。やらなければいけない勉強の量が多ければ多いほど、一歩目に苦痛に近いものを感じる。早く始めなければいけない時ほど一歩目を踏み出すのが困難になるのはあまり合理的ではないような気もするがそのようになっている。簡単にできそうなことは一歩目のハードルが低く、手をつけやすい。十歩進めばよいときと、十万歩進まなければいけないときでは初めの一歩の重みが異なる。
仕事や勉強の全体の量によって一歩目の難しさが変わるのであれば、全体の量を敢えて考えないようにする、というのも手かもしれない。あまり先を見過ぎずに当面やるべきことだけを考える。生涯で100冊以上の本を出した作家や2000本以上のヒットを打った野球選手は偉大だが初めからそれを目標にしていたらうんざりしてしまう。毎日頑張ってきて、気づいたらここまで来ていた、みたいな感じがよいのではと思う。20,000字の論文を書く場合でも、まずは最初の400字だけを考える。これから先にどのようなことがあるにしても目の前の一歩は一歩でしかなく、まずはその一歩のことだけを考えればいい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。