新聞
年を取るにつれて新聞を読むのがますます面白くなってきた。関心のあることが増えて気になるニュースが多くなってきたからだろう。ウクライナや中東の情勢がどうなるか、アメリカの下院は議長を決められるのか、世界的なインフレは収まるのか、日本はデフレから脱却できるのか、等々について、日々変わっていく状況を知ることはとても興味深い。政治や経済だけでなく、企業の動き、スポーツの結果、地域の情報を知るのも楽しみだ。新聞を読み始めたときはテレビ欄とスポーツ欄しか読んでいなかったが今は読まないページがない。
ニュースがどんどんネットで流れてくる今、出来事自体を新聞で初めて知る、ということは少なくなった。ハマスによるイスラエルの攻撃も藤井聡太八冠誕生もスマホアプリのプッシュ通知で知った。それでも翌朝の新聞でそれらの記事を興味深く読めるのは記者や有識者の意見を含めてその出来事の背景について知ることができるからだ。毎朝起きる時間には自宅に届いているというのも有難い。朝夕セットで月5,000円程度という価格は毎日の配送料等も考えると格安に思える。
その新聞が発行部数を減らし続けている。日本新聞協会のデータによれば2022年10月時点の発行部数は3084万部と2002年10月時点の5319万部から20年で42%減っている。特にここ5年くらいは毎年200万部以上減っていて減少が加速している。1世帯あたり部数も2002年は1.09だったのが2022年は0.53まで下がった。家で取るのが当たり前だったものがそうでなくなってしまった。
このまま発行部数が減っていくと紙媒体のビジネスモデルが成り立たなくなってしまうのではないかと心配になる。特に配達の部分はその地域に一定数の購読者がいないと毎日届けるコストが非常に高くなってしまう。アメリカのウォールストリートジャーナル紙は日本の都市部で紙媒体の新聞を発行していたが2年前に撤退してしまった。ネットで記事を読めばいいのでは、という意見もあるかもしれないが新聞のあの大きな紙面で記事を読むのとPCやiPadで読む感覚はだいぶ異なる。本であればKindleやiPadでも許容できるが新聞はやはり紙がいい。
洋々の受講生にも時々聞いてみるが新聞を読んでいる人は少ない。中高生には難しく感じる記事も多いかもしれないが興味のある記事から読めるといい。国民の多くが毎日、新聞を通して社会のことを知り、考えることは健全な民主主義社会の形成にもつながる。時代の流れには逆らえないがもうしばらくは紙で新聞を読む贅沢を味わいたい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。