全力で準備した総合型選抜で不合格になると落ち込み過ぎてその大学学部に対して負の感情を抱くようになってしまうことがある。合わなかっただけ、と綽々と受け止められるとよいのだが偏差値カーストの意識に囚われると憧れていたコミュニティに受け入れてもらえなかった、自分はそのレベルでなかった、という屈辱感に苛まれ、憧れの気持ちが嫌悪に変わったり、コンプレックスを抱いたりすることもある。中には、もう同じところはもう一般選抜でも受けたくない、という人もいる。

自分が否定されたような気持ちになり、その相手を拒絶したくなる気持ちはよく理解できる。拒絶しないまでも自分はそこにふさわしくないと感じて気後れしてしまうこともあるだろう。ただ、十分な力があるのに戦意喪失してリベンジの機会を逃すことになるのは勿体ないようにも思う。受験生の熱い思いに対して大学側はそこまで時間をかけて審査するわけではない。受験生側は大失恋のような感情を抱くかもしれないが大学側は受験生が思っているほど個々の受験生のことを熟知した上で審査するわけではない。もちろん1人1人の書類に真剣に向き合って審査していると思う（思いたい）が、1人分の書類にかけられる時間は非常に限定的であるはずだ。加えて多くの不合格者は合格者と紙一重の差しかない。洋々の受講生を見ていてもボーダーライン付近にいる受験生がボリュームゾーンになる。結果として不合格が確定すると全然ダメだったように感じてしまうが合格者の書類と遜色ないことが多い。

総合型選抜や推薦入試で残念だった受験生が同じところを一般選抜で受けてリベンジ合格を果たしたケースが今年も何例もあった。中には総合型選抜の結果が出てから切り替えて一般選抜の準備をして合格した人もいた。年内に合格がもらえる方が安心だし、「総合型選抜の塾」を名乗る洋々はそのために全力を尽くすが、中には残念な結果に終わる人もいる。そのときにへこたれずに次の目標に立ち向かえるかどうか、ということは結果以上に大事であるように思う。今後の人生うまくいくこともあればそうでないこともある。本気で手に入れたいと思うものがあるのであれば一度だめでもあきらめずに粘り強く挑戦し続けたい。