「勉強」以外の勉強


中高6年間いわゆる進学校に通ったがどちらかというと放任な感じで勉強を強制されるような感じではなかった。高2の冬くらいまでは試験前の一夜漬け以外いわゆる勉強をした覚えがあまりないし、周りも似たような感じだった。それでも多くの同級生が難関と呼ばれる大学に合格していったのは中学受験の時に蓄積したものがあるのと、いわゆる「勉強」ではない形での学びを積み上げていたことによるのだろう。

「勉強」以外の学びの代表例は読書だ。進学校だからといって皆が本を読むわけではないが一般的な中高生の平均より読書量は多かったように思う。三国志や日本の戦国物は多くの人が読んでいたし、講談社のブルーバックス等で自然科学系の本を読んでいる人もいた。文学作品を読んでいる友人も多かったし、心理学や哲学の本を読んでいる人もいた。私自身中学生のときから世界文学や自然科学の本を読むようになったのも周りの友人の影響が大きかったように思う。時間をかけて三国志を読んだからといって世界史のテストができるようになるわけでは全くないのだが、読書が長期的に思考力のベースになっていくのは間違いない。

もう一つはゲームだ。ゲームと言っても将棋や囲碁、トランプや麻雀、カードゲーム、ボードゲーム、コンピュータゲーム、等、幅広いが、いずれも皆よくやっていたように思う。ゲームが学力向上に役立つかどうかは意見の分かれるところではあるが、少なくとも思考力を鍛える要素はある。私自身、ゲームで勝つために考えてきたことが他の分野でも役立っている感覚がある。ビル・ゲイツやイーロン・マスクのように成功した起業家にゲーム好きが多いことを見てもゲームが思考力の向上に役立つ面は小さくないのではないかと想像する。勉強せずにゲームやっていればいい、と言い切れるほどの確信はないのだけれど。

政治や経済のことは全然わかっていなかったし、友人と社会のことについて議論した、というような記憶もほとんどないが、自分たちの周りに起きる些細な日常のことについての会話も今思えば思考力の向上につながっていたように思う。

机に向かって教科書の内容を覚える「勉強」は勉強の一部でしかない。「勉強」も慣れてくると楽しめるが進学校に通う人も含めて多くの人には面倒で苦痛だ。すぐにテストの結果に結びつくのは「勉強」かもしれないが長い目で見た学力向上という意味では「勉強」に囚われる必要はないのではと思う。


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