得意な形
数学の問題にはいろいろな解き方があるが1つ習得して自分のものにすることができるとその方法に頼るようになる。似たような問題は大体解けるからますますその方法が気に入り、使えば使うほどさらに巧みに使いこなせるようになる。勝ちパターンのようなものができて自分の強みになる。ただ、頼り過ぎてしまうとそれが最適でない場合でもその方法で問題を解こうとするようになる。
ソフトウェアのコードを書くときも同じでまずは1つの方法で実現したいことができるようになる。こうすればできる、というのが自分の中で固まってくるとその方法を多用してそれが得意になってくる。そうなるとそれが最適かどうかをあまり考えずにその書き方を採用するようになってくる。
スポーツの世界でも人によって得意な形というのがある。相撲の世界でも右四つが得意だったり押し相撲が得意だったり力士によって得意な形は異なる。サッカーのワールドカップで得点を決めた選手が「あそこは俺のコース」と豪語していたのも得意な形ということだろう。難しいのは得意な形を突き詰めていくのがいいのか、他の方法も器用に習得していくのがいいのか、ということだ。
世界の王こと、王貞治さんは生涯868本のホームランを打っているがその大半が右方向の打球だった。大谷翔平選手のように右にも左にも打てる方がよかっただろうか?プロゴルファー猿は手作りの木製ドライバーだけで強敵に勝ってきたがアイアンを使いこなしていたらさらにすごいプレイヤーになっていただろうか?(プロゴルファー猿は漫画の話なのであまり参考にならないけれど)
差別化、という意味では一つの方法を究めていく、というのはよいのかもしれない。王さんより多くのホームランを打った人は存在しないし当分記録は破られそうにない。ただ、一般的にはいろいろな技を身に着けていく方がパフォーマンスを高めやすいように思う。少なくとも数学やソフトウェアのコーディングにおいては使いこなせる技が増えると解決までの時間を短縮することができる。まずは1つの方法をしっかり自分のものにする、ということが大事だが、自信を持って使いこなせるようになったときにその方法ばかりに頼るのでなく、常によりよい方法を探るマインドを持っておきたい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。