それでも改善し続ける
たとえば登山道にちょっとした渡渉の必要なところがあったとして、誰かが丸太の橋を渡して歩きやすくなるとそれまで毎回靴を濡らしながら渡っていた人にとってはとても有難く感じる。ただ、丸太を渡す前の状態を知らない登山者は当たり前のように丸太の上を歩くだろうし、何なら丸太の上の歩きにくさに不満を持つかもしれない。丸太のない状況を想定して、丸太が渡されていることのありがたさを感じる人はほとんどいないだろう。丸太を渡す前の不便さを知っている人も最初はありがたく思ってもすぐにそれが当たり前のことになり、徐々に感謝の気持ちが薄れ、やはり丸太橋の足りない部分に目が向くようになるかもしれない。
お店や銀行に行かなくても自宅からものを買えたり送金の手続きができたり、株の売買や確定申告も自宅でできたり、車を持っていなくても24時間好きなときにカーシェアの車を借りれたり、切符を買わなくてもスマホのICカードで電車に乗れたり、世の中、いろいろ便利になっている。でもそれらのことは今や当たり前で日々ありがたさを感じている人はあまりいない。むしろ足りないところが目について不満に思っている人の方が多いのではないか。
改善のために努力して新しいサービスを提供してきた側としてはもう少し感謝してもらいたいと思うかもしれない。折角苦労して丸太を渡して前より確実によくなっているのに文句ばかり言われるのはたまらない。でもそのようによりよいものに対する要望が絶えずあっていろいろなことが発展してきた。
提供する側としてはそういうものだと受け入れる必要がある。あるときに使う人の期待値を超えたとしてもさらに改善を続けていかなければすぐに不満がたまってくる。一度完成して達成感を味わったら、程なくしてそのことは一旦忘れてさらなる改善、あるいは次の課題に取り組んでいかなければいけない。一方で、成果を享受する側は感謝の気持ちを忘れないようにできるといい。不満が次の改善を生むこともあるが、ありがたいという気持ちを持ちつつ、さらなる改善の提案をすることもできる。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。
