「を」の後の読点
小学校の1年生か2年生の頃に担任の先生から「を」の後に読点「、」は打たないと習った。そういうものかと思って素直に従ってきた。数十年経った今でもその原則を基本的には守っている。ただ、実際には明確なルールがあるわけではないし、有名な作家の作品の中でも「を」の後に読点を打ってあることはそこまで珍しいことではない。読点を打った方が読みやすくなる、あるいは、意図を伝えやすくなるのであれば、当然ながら打ったって構わない。
ただ、もしかしたら小学生のときの教えが染みついているせいかもしれないと思いつつ、「を」の後に読点があると違和感を覚えることが多い。通常「を」は動作の対象として使われるがその際に倒置法で「を」の後に句点が来ることはあっても読点を打って一拍置く必要性を感じることはあまりない。「『を』の後に読点を打たない派」という流派みたいなものに過ぎないかもしれないし、それが正しいことかどうかはわからないが、原則として教えてもらったことは悪くなかったように思う。
たとえば、擬音語や外国語には片仮名を使うのが原則だが、これも絶対そうでなければいけないわけではない。ただ、それが当たり前になっているからこそ擬音語や外国語を平仮名で書いてみると独特の雰囲気が出る。永井荷風の「ふらんす物語」は片仮名の「フランス」では感じが出ない。逆に日本人の姓を「タナカ」とか「ワタナベ」といった感じで片仮名で表現するとこれまた特別な印象を与える(そういえば村上春樹の「ノルウェーの森」の主人公は「ワタナベ」だった)。
「を」の後に読点を打たないことは、小学校の1人の先生から言われただけで、その後そのようなことを教わったことも読んだこともなく、そもそも原則として広まっているのかどうかさえわからない。今、受講生の書類の添削や記事の原稿の校正をする際に「を」の後の読点を見つけてもよほどの違和感があるときを除いて修正を促すこともしない。それでも自分の中では原則があり、文章を書く際に多少なりとも役に立っているように思う。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。
