おいしいところからやる
古い話で恐縮だが自身が大学受験の準備をしていた際には志望校やセンター試験(当時)の過去問を敢えて解かずに大事に取っておいた。自分がやれるだけのことをやって合格レベルの実力が付いたときに挑戦したいと思っていたのだ。過去問と同じ問題は出ないので予備校が出している予想問題集的なものをやる方が役に立つ可能性が高いと思っていたこともある。結果的に想定していたほどには過去問に手が回らず、十分に過去問を活用したとは言えない状態で本番を迎えることになった。一部の科目は手持ちの教材の関係で過去問中心に準備していたのだがそういった科目の方が本番での結果がよかった。
それぞれの科目の出題範囲は意外と広い。科目ごとの試験問題はいかようにも作れる。教科書すべてを網羅してあらゆる問題に対応できるように準備するのは意外と大変だ。共通テストを作成している大学入試センターにしろ、各大学学部にしろ、特定の機関がつくる問題には傾向や癖がある。過去問を中心に取り組めば、対応すべき範囲は大幅に狭まるし、求められている能力の向上にも直結する。過去問への取り組みは時間対効果が大きい「おいしい」準備方法になる。過去問はどれくらい自分が点数を取れるか、という現状の実力把握にも測定もできるので、大事に取っておいて、よいタイミングで初見で時間を計って取り組んでみたいという気持ちもよく理解できる。ただ、最もおいしい教材を寝かせておくのは勿体ない。何度も取り組んで味わい尽くす方が大きな効果を得られるはずだ。
ただし、いくら過去問が大事だからといって実力的に圧倒的に足りない段階では使いこなすのは難しい。もちろんその場合でも過去問で問われていることから徐々に理解を深めていく、という手もあるが、基礎的なトレーニングが必要な場合、たとえば英語の単語力が足りない場合は、トレーニングを重ねてそれなりに戦えるようになった状態で過去問に取り組む方が効果が大きくなる。浅くでもよいので科目ごとの全範囲を一通り理解し、正答には至らないまでも歯が立っている感覚を持てるようになっているといい。そのような状態であれば合格点を取る実力にはほど遠くても過去問に取り組むことが大きな効果を上げる。今取り組むべきことは今最も大きく自分の実力向上に貢献する教材だ。おいしいところから始めればいい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。
