公開情報の活用


一次情報というのは自分が直接手に入れた情報でたとえば自分が体験したことや直接見聞したことがそれに当たる。一方で二次情報というのは他の誰かが持っている情報を間接的に入手したもので官公庁が公開している統計データや上場企業が公開している財務諸表などがそれに当たる。

二次情報には洗練されて詳細に亘るものも多いが、一般的に二次情報よりも一次情報の価値の方が高い。なぜなら一次情報は自分だけが持っている情報で希少性が高いからだ。誰にでも手に入る二次情報は情報の価値としてはそこまで高くなりにくい。コンサルタントの分析でも二次情報よりも一次情報に基づいたものの方が価値を認めてもらいやすいし、大学のAO推薦入試で志望理由書を書く際にも一次情報に基づく考察の入っている方が自分ならではの見方を示すことができて高い評価を得られやすい。

ただ、一次情報の重要性を強調し過ぎると二次情報の有用性を見誤る。特に、インターネットの普及によって手に入れられる二次情報の量が飛躍的に増えている今、二次情報を正しく分析できればその価値は高くなる。表計算ソフトウェアで扱えるような生のデータも官公庁、国際機関、企業がウェブサイトで豊富に提供されているし、文章や図表での情報も(玉石混淆ではあるけれど)ウェブ上には無数にある。

ビッグデータを扱うようなデータサイエンティストは今や引く手あまただがそこまでコンピュータの力を使わなくても情報を解釈し、そこに意味を見出すことができれば価値を出せる。金融アナリスト、投資家、ジャーナリストといったプロフェッショナルも意外と公開情報を基に分析をすることが多いと聞いたことがある。公開情報を使ってできる分析の幅が広がった分、その難易度が上がり、差別化できるようになっているのだと思う。大学受験に関する情報についても学部の種類が増えたり入試の多様化が進んだりする中、公開されていることを分類したり解釈したりするだけでもそれなりの価値になると感じる。

大学受験の課題で課される比較的平易な文章や図表の解釈にも苦戦する受験生の姿を見て誰でも手に入れられる公開情報であってもそれを理解するのは簡単なことではないのだと感じる。そのことは逆に誰もがアクセスできるような情報からでも大きな価値を出せる可能性があることを示唆している。


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