学習や教育を取り巻く環境の変化 2021


2021年度は大学入試改革の元年で、総合型選抜や学校推薦型選抜はすでに2020年中に実施されたが、一般選抜は新しい形として今年初めて行われた。改革の目玉の一つである大学入学共通テストも1月16日・17日に初めて実施されて50万人以上が受験した。ただし、英語外部資格の利用、記述式の採用が見送られ、従来のセンター試験とそこまで大きく変わらない形での実施となった。一方で、私立大学の一般選抜においては上智大学や青山学院大学、早稲田大学の一部の学部、等、従来に比べて論述式の問題の割合が大幅に増やし、入試改革にふさわしい新しい形での試験を課すところもあった。コロナ禍の影響は引き続き大きく、横浜国立大学や宇都宮大学では2次試験を実施せず共通テストのみで合否を判定する形での実施となった。また、昨年に続き総合型選抜や学校推薦型選抜では面接等の2次試験をオンラインで行うところが相次いだ。

大学入学共通テストの記述式問題と英語外部資格の利用については2025年1月実施分からの導入が引き続き有識者会議で検討されてきたが7月に文部科学省から正式に断念する旨通知があった。また、来年から施行される新学習指導要領に合わせて、2025年1月実施分から共通テストに「情報」が追加されることも正式に通知された。

その「情報」だが2022年度から「情報I」として必修科目になりそこにはプログラミングも含まれる。高校の指導体制が整っていない等の懸念事項がある一方で、ライフイズテック社が奈良県の教育委員会と共同で情報科目の指導案を作成するなど、民間企業を活用する動きも出ている。

コロナ禍が続く中、公教育でも民間の塾予備校でもオンラインでの学習がかなり浸透してきた。海外に目を向けるとインドのオンライン教育大手のバイジューズは昨年に引き続き今年も大きく成長している。今年初めの報道で会員数がコロナ前から6割増えて8000万人を超えたとあったが、11月には1億人を突破し、今では企業価値は200億ドルを超えるという。

海外で衝撃的だったのは中国政府が7月に公表した、小中学生を対象とした学習塾の規制策だ。新規開業を認めないだけでなく、既存の学習塾は非営利として、学費は政府が管理する、株式上場も認めない、という内容だ。北京を拠点に学習塾を展開する新東方教育科技社の株価は年初から9割近く下げた。元々1600か所以上の塾を運営していたが、今年の年末までに1500か所程度閉鎖するという。規制策の目的は教育費を下げて少子化に歯止めをかけることと言われているが中国政府の強引なやり方は改めて自由で民主的なプロセスの必要性を感じさせる。


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