自分で決断する
総合型選抜の出願書類の準備のサポートをしていると最終段階でこれで提出していいか、とGoサインを求められることがよくある。こちらとしては、伝えるべきことはすべて伝えた、あとは自分がよいと思ったら出願して、という言い方をせざるを得ない。最終判断を本人に任せるのは、責任を逃れたいからではなく、出願書類はその受講生の作品で、責任も手柄も本人のものであるべきだと考えるからだ。自分の志望校を決める上でも塾や保護者に頼りたがる受験生も多い。志望理由を聞くと親が受けろと言ったから、と答える受講生もいる。
自分で決断するのは意外と負担がかかる。これでいいのか悪いのかを考えて逡巡すると認知負荷がかかる。難しい数学の問題に取り組むのと一緒でぐったりするし逃げ出したくなる。加えてうまくいかなかったときの責任を自分自身で負わなければいけない。責任を負うことを考えると決断するのがますます面倒になってくる。うまくいかない場合はできれば他の人のせいにしたい。自分は○○がいいと思っていたけど、他の誰かに△△がいいと言われたからそっちにした、という感じで。
ただ、負担がかかる分、自分で決断すると多くの学びを得られるという大きなメリットがある。自分で責任を負うとなると自然と真剣に考えるようになる。その過程があるからこそ、うまくいけば成功体験として蓄積されるし、失敗した場合でも今後の糧をたくさん得られる。いずれにしても学びが大きく、自分自身の決断による失敗と成功を積み重ねていくことで成功の確率を高めることもできる。
自分で決断して自分の人生を自分で切り拓いていくことは人生の醍醐味と言っていい。人の意見はよく聞くといいし、参考にできることは参考にしたい。でも最後に決めるのは自分だ。結果がよくなくても親や先生や他の人や社会のせいにするのではなく自分で責任を持ちたい。自分で責任を持つことは大変なようで覚悟を決めればいろいろなことが気にならなくなり精神的にかえって楽になる部分もある。何よりそれは人生を謳歌するための必要条件といっていい。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。