有事に備える
ロシアがウクライナに対する軍事侵攻を開始してからすでに3週間以上経った。ウクライナはここまでよく持ちこたえておりロシアが当初のプランの変更を余儀なくされているという報道がある一方でここにきてロシアが攻勢を強めているという報道もあり今後の行方については予断が許されない。
グローバル化が進んだ今、ほとんどの国で戦争によって得られるものより失うものの方が大きく、20世紀前半までと比べて戦争は起きにくくなっている。今回のロシアも仮にウクライナを制圧したとしても失うものの方が大きいだろう。欧米の経済制裁は強力でロシアは現時点でもすでにかなり大きい痛手を負っている。制裁覚悟で軍事侵攻に踏み切ったのは欧米の反応を読み違えたところもあるだろうが元々経済的な利害以外のところでプーチン大統領が重視していたところがあったのだろう。西側の価値観とは異なる価値観で動いているようだ。
今回のロシアの行動は暴挙であり決して容認できるものではなく、西側は厳しく咎めなければいけない。一方で第三次世界大戦に陥るのは避けなければならず軍事的な支援には限界がある。曖昧な立場を取る大国中国が背後にいることで状況はさらに複雑になっている。中国は今や日本にとって最大の輸出先、かつ、最大の輸入元であり、貿易面ではアメリカ以上に重要な取引先になっている。日本は今のところ欧米に歩調を合わせてロシアに対して厳しい態度を見せているが中国が今以上にロシアに寄り添う態度を見せたときに中国に対してどのようにふるまうべきか。中国はロシアとウクライナの状況を見守っており、近い将来台湾への軍事侵攻も十分あり得る。
言うまでもなくロシアや中国は日本の隣国である。日本はいずれの国とも領土問題を抱えており距離的にも非常に近い。ロシアが実効支配する国後島は北海道本島からわずか16kmしか離れていないし、中国から台湾は130km、台湾から尖閣諸島は170kmの距離だ。ロシアによる今回の軍事侵攻が発端となり、今後戦火が広がるようなことがあれば、日本が戦争に巻き込まれる可能性もゼロではない。万が一のときにどのように対応すべきか政府に任せるのではなく国民のレベルで今から議論しておきたい。ロシアによって引き起こされた嫌な現実ではあるが直視して準備すべきことはしなければならない。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。