学習とは?


乳幼児は日々外界から学びを得る。何せこの世界に生まれてから間もないのですべてが新しいことで学びの材料になる。五感で感じるものが尽く自分の世界観の構築につながる。特に生後2か月から1年後くらいにかけては見るもの、聞くもの、触るものに影響を受けながら脳の神経回路が急速に張り巡らされていく。

小学生になると学校での学びが加わるがそれ以外のところでもまだまだ新しい体験が多く日々学ぶ毎日だろう。中学、高校と進むと学校での学業の重要度は高まるが、日常生活に全く同じ日はなく、季節によって景色は変わるし、毎日外界と接し新しい学びを得続ける。大人になると学業からは解放される人がほとんどだが毎日が学びであることには変わりない。日々人とのコミュニケーションから新しい知識を得るし、テレビやスマホから常に新しい情報が流れてくる。仕事をしている人はそれこそ勉強の毎日だろう。

そう考えたとき、学習する、というのはどういう時間のことを指すのだろうか?すべての時間が学びの時間であるならば、敢えて学習のために費やす時間はそれとは何が違うのだろうか?

日常生活からのランダムな学びと意図的な学習の違いは目標の有無にある。敢えて時間を決めて学習する場合は何らか達成したいことがあるはずだ。英語を話せるようになる、ソフトウェアのコードが書けるようになる、という実用的なことから、宇宙の起源を知りたい、人間とは何かを考えたい、といった真理の追究まで、意図的な学びには目指すところがある。目標がある場合は時間対効果に差が出る。洗練された方法で学ぶと効果的に目標に近づくことができる。

英語を聞き流しているだけでは英語を理解できるようにはならない。頭に引っかかるような形で確実に積み上げていかなければいけない。効果的な記憶の方法や勉強に適した環境、等、学習に関する様々な理論が提唱されており、参考になるところもいろいろあるが、学習と言っても通常の勉強からスポーツや音楽までいろいろな種類があるし、万人にとってこれがベストという方法が確立されているわけではない。ただ、課題を見つけて反復練習して一つ一つクリアしていく、というのはあらゆる学習に通ずる一つの確実なプロセスであるように思う。

目標を持たずに日常から学ぶことも楽しいし、それで十分と言えば十分だが、もし何かの目標のために学習をするのであれば密度の濃い、効果的な学びの時間を目指せるといい。脳や身体に一時的な負担はかかるかもしれないが継続することができれば着実に目標に近づくことができる。


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