何かのために、ではなく、やりたいからやる
アメリカのWest Point(陸軍士官学校)に入学した人の中で将来的に軍の中で最も出世するのは軍の仕事自体に興味を持って選んだ人という研究結果がある。仕事自体に対する情熱などの内的動機が重要であるだけでなく、報酬や地位などの外的動機はネガティブな効果をもたらすこともあるとのこと。仕事でも勉強でも実現したいことがあってそれに向かって努力することは大事だしモチベーションも上がる。ただ、あまりに目的的になってしまうと本来の仕事や勉強の楽しみを失うことになりかねない。使命感に燃えて頑張る人より、今、目の前にあることを楽しんでやれる人の方が成果を出せる可能性がある。何としても東大に合格する、という強い意志を持った人よりも、数学や物理の学習を心から楽しめる人の方が成績が伸びそうな感じはする。
そう考えると企業も大学も立派な目標を立ててそれに向かって努力できる人よりも、その仕事や学業が心から好きで楽しめる人を採用する方がもしかしたらよいのかもしれない。その場合、採用試験や入学試験で課される志望理由書も将来実現したいことがあってそのためにやりたいこと、学びたいことがある、というよりも、いかにその仕事や学問が好きか、ということを訴えていく方が効果的になるかもしれない。
今のところ洋々の受講生も総合型・学校推薦型選抜の志望理由書を実現したいことベースで書くことがほとんどだ。実現したいことを掲げることでその大学に行きたい理由が十分な説得力を持って説明できるし、実際それで合格している。ただ、その学問が本心から好きなのであれば、それを追求した先の実現したいことは不要で、いかにその学問が好きなのか、だけを伝えるのでもよいのかもしれない。「それが将来社会にどう役に立つのですか?」みたいな質問を面接でされるかもしれないがそれは一番大事なところではない。学問に対する純粋な興味を伝えて、それで共感してもらえないのであれば、そもそもその大学に合っていないということかもしれない。
何かに夢中になってできることはそれ自体がすばらしいこと、それが大学での学業や企業での仕事につながるのであればなおさら幸運だ。そういったものを持っている人は目的などいらないし、ただ好きなことを追求していけばいいのではと思う。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。