子どものAI利用
大人であれば日々自分がやらなくてもいいように感じる瑣事がいろいろある。この半世紀の間に家電やインターネットの発展によって家事であったり銀行や役所での手続きであったり面倒で手間のかかることをだいぶ省略できるようになった。そして生成AIの登場だ。文章を書けるし画像も生成できる。会議のまとめや資料の作成もやってくれる。今後益々やらなくていいことが増えそうだ。
ただ、本来自分の時間を増やしてくれるはずなのに、なぜかミヒャエル・エンデ「モモ」の時間泥棒を思い出させるのは時間を増やしてくれるようでいて実は大事な時間が奪われているような感じがするからだろうか。
たまに電車に乗らずに歩いてみたり、電波の入らない山を登ったり、一見効率の悪いことをすることはあるし、今のところ文章作成に生成AIを使うことはない。しかし、長距離移動に飛行機や新幹線が使える場合にそれ以外の選択肢を取ることはもはや取れないように本当は自分でやった方がいいような気がすることでももっと簡単にする方法を知っているときにそれから逃れることはなかなか難しい。AIが蔓延する社会が魅力的に思えなくてもそこから逃れることはできそうにない。
大人はまだいい。問題は子どもだ。子どもが自分が考える代わりにAIに考えさせると成長の機会をまるまる失うことになる。
先日、東大の酒井邦嘉教授が強い口調で教育現場でAIの「利活用」に警鐘を鳴らした記事を日経新聞で読み、共感するとともに改めて今後の教育についての不安が募った。
以前、佐藤ママが「生成AIは酒とタバコと一緒。未成年は一切禁止。」とおっしゃっていたがそれもありだと思う。
歩いたり走ったりすることが少なくなって子どもの運動能力が低下することも心配ではあるが、気軽にAIを使うことによって知的能力の健全な発達が阻害されることはそれより一段と恐ろしい。
洋々でも受講生の志望理由書のフィードバックや小論文や英語ライティングの壁打ちのためにAIを利用しているし、より効果的なトレーニングのために今後も活用できるところは活用していきたいと考えている。ただ、受講生が自身で苦しみながら創造するプロセスにAIの力を借りることは防ぎたい。AIをトレーナーとして活用することは許容するにしてもAIにトレーニングの負荷を肩代わりしてもらうようなことは容認できない。
洋々ではプロフェッショナルによる無料の個別相談を承っております。
個別相談申込ページからご予約いただくか、
電話またはメールにてご連絡ください。
電話:03-6433-5130(平日1400-2100、土1000-1900。水日祝休み。)
Eメール:you2_info@you2.jp
お気軽にご相談ください。
洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。
