Copilot
ソフトウェアのコードを書くときに最近CopilotというAI機能を使うようになった。これから書こうとするコードを予測して補完してくれるし、想定通りにコードが動かないときに質問すると原因を的確に指摘してくれる。どうやって実現すればいいかわからないときに相談すればなるほどと思うことを提案してくれる。副操縦士と呼ぶには自分よりはるかにできるし役に立つ。これまでネットで検索して調べていたことがその必要がなくなるだけでなく自分のコードに合わせた回答を得ることができる。問題解決までの時間はだいぶ短くなって生産性が上がった気がする。
便利な一方で心配なのは自分の能力向上の妨げになる可能性があることだ。問題を解決しようと試行錯誤するプロセスにこそ学びがある。そのプロセスを経ずに与えられた回答はその場では役に立つが自分のものにはならない。数学の問題に取り組んでいるときにさっさとあきらめて解説を見るようなものだ。学び、という意味では時間をかけてでも自分で考え尽くす方が得られるものは大きい。Copilotに頼ってばかりだと自分の成長が止まってしまいそうだ。それどころか頼りすぎると今できていることもできなくなってしまうのではという危機感もある。
これまでも便利なツールを使用することが自分の能力の退化につながっている部分は結構ある。カーナビを使うことで道を覚えられなくなったり、PCやスマホで入力するようになって漢字が書けなくなったりしている。各種リマインド機能を使うことで記憶力も衰えているかもしれない。
ビジネススクールに通っていた時に自社で追求すべきか、他社に依頼すべきか、を考えさせられるようなケースを扱った。企業は、自社で時間をかけて取り組んで自社の強みにしていくべきことと他社に任せて効率化すべきことを戦略的に切り分けていかなければいけない。個人でも自分でしっかり取り組んで自分のものにしていくべきことと他の手段を活用してショートカットした方がよいことがある。自分の英語力を高めるために英文を熟読していくこともできるし、割り切って翻訳機能を使って他のことに時間を割くこともできる。AIはこれまでの様々なツールに比べて非常に強力でその活用方法は慎重に見極めていかなければいけない。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。