僕らが350mの展望台に着いたのは5時半を少し回った頃。チケットを買ったりなんだりしている間に、幸運にも天気は少し回復していて、空に雲はあるものの、高度350m以下に霧や霞はなく、遠くまでキレイに街を見渡せた。この日の日没は6時。徐々に辺りが薄暗くなっていく時間、三谷幸喜に言わせれば「マジックアワー」で、新海誠に言わせれば「誰そ彼(たそがれ)時」である。 辺りが暗くなるのと反比例して、ビルや家に灯りが灯りだす。こんな風に街を俯瞰した時にいつも、そういう光の一つ一つの先に誰かの生活があることを想像 [→続きを読む]