昔同じクラスだったり同じ学年だったりした連中と久しぶりに集まる同窓会というものに、僕は行ったことがない。と言うより呼ばれたことがない。それには理由がある。もちろん、単に僕が敬遠されていて僕だけ知らされないままどこかで開催されている可能性は否定できないが、それとは別の心当たりがある。それは、僕の少し変わった学歴だ。 僕は小学校こそ地元の市立に通っていたものの、中学・高校・大学はそれぞれ別系列の私立に通わせてもらった。中学は桐朋、高校は東海大相模、大学は慶應である。 僕の小学校は田舎の小さな学校で、 [→続きを読む]

僕の車に付いているカーナビは、一日の始めにその日が何の日かを教えてくれる。日付が変わって最初にエンジンをかけたタイミングで「おはようございます。今日は〇月〇日、〇〇の日です。」と言ってくるのだ。 〇〇の日に当てはまるのは、誰もが知っている“こどもの日”や“みどりの日”といった祝日名や、“憲法記念日”や“終戦記念日”といった歴史上の記念日名などである。しかし当然、365日全てにこういった立派な名前があるはずもなく、ほとんどが「何だそりゃ?」と首を傾げたくなるような名前である。例えば2月28日は“バ [→続きを読む]

あるよく晴れた午後、パーク柔道部の先輩二人にチャリ(自転車)トレーニングに誘われた。それに対して僕は思わず「マジですか?」と聞いてしまった。その先輩たちが“自転車”を一つの趣味にしていて、普段は乗らないようなもの凄く良いロードバイクと装備を持っていることを知っていたからだ。僕も自転車は好きだけど、当然そんなに本気で向き合ったことはなく、普段そこらで乗る用のそこそこなマウンテンバイクを持っているだけ。先輩たちのペースに付いて行く自信がなかったのだ。それで、やんわり断ろうとしたが、先輩の情熱と「ペー [→続きを読む]

この前ちょっとした怪我をした。僕が技をかけて、それを相手に潰された時、とっさに手を付き、その上に相手が乗ってきた。その瞬間、僕の手首は、正直曲がって欲しくない方向に曲がった。まぁ柔道ではよくあること。いわゆる捻挫ってやつだ。 怪我をした日の夜は、寝返りを打つ時に少し手を使うだけで痛くて目が覚めるほどだったから、決して軽い怪我とは言えない。しかしテーピング等を使って少し無理をすれば練習が出来てしまう程度である。こんな時、我々アスリートは厄介な選択を強いられる。しばらく練習を休んで回復に努めるか、競 [→続きを読む]

世間では“最高10連休!”と騒ぎ立てられた今年のゴールデンウィーク。しかし我々のような人間は特別いつもと変わらず、練習やトレーニングに明け暮れる日々である。むしろ仕事や学校が休みになる分、いつもより練習量が増えたりする残念な期間である。そんなわけで僕らにはちっとも輝いて見えないゴールデンウィークであるが、それでも、その10日間の中にあった2つの週末はいつもと同じく練習がお休みで、世間のテンションに追いつこうと必死に羽根を伸ばした。 1つ目の週末は前回の記事に書いたように逗子映画祭の様子を観に行っ [→続きを読む]

GW真っ盛りの5月1日、パーク24柔道部の同期一人と、ふたりの共通の友達との計4人で、逗子へ行った。お目当ては逗子映画祭なるものである。   これに行ってみようと言い出したのはその共通の友達2人。聞くと、逗子映画祭とは夜のビーチに大きなスクリーンを設置してみんなで懐かしい映画を鑑賞するという世にもオシャレなイベントらしい。その日上映されるのは“Stand by Me”。なるほど、休日の過ごし方としては悪くない提案だ。他にすることもなかったし、天気もいい感じだったし、ドライブがてら行って [→続きを読む]

運転免許証の更新を知らせるハガキが届いた。なるほどあと一か月で誕生日。俺ももう25歳になるのか・・・と少し黄昏ながらハガキを開くと、今回の更新でゴールド免許になる旨が記されていた。過去に一度大失敗を犯している僕は「ゴールドなんてまだまだ先のこと」と勝手に思っていたので、この予期せぬ朗報はなかなか嬉しいものだった。   思えば大学入学直前、猿に見守られつつ長野大町の自動車学校を卒業して(このすったもんだをこのブログを始めた頃に書いたっけ)、大学1年9月、期限ギリギリにやっと試験を受けて免 [→続きを読む]

前回と前々回の投稿に続き、卒業式のあった3月28日の話を少し小説家気取りの文章で書き続けようと思っていたけれど、やめた。なんかパッとしないなぁと思いながら書いていたら、やっぱり読んでいる方も退屈していたみたいだから。親しい読者に指摘された。今度、こんな風に出来事を書く機会があれば、もっと楽しかった一日を文章にしようと思う。   さて、僕はこの4月の新学期から慶應の授業をボランティアで手伝っている。教科はもちろん体育の柔道である。この授業の担当教官が、たいへんお世話になった大学体育会柔道 [→続きを読む]

僕らが日吉キャンパスの並木道を上がるころには、雨はだいぶ小降りになっていた。傘をさしてもささなくても変わらないような弱い雨。逆に傘が荷物になるような、くどいようだがまったく面倒な天気である。 並木道の始まるキャンパスの入口と中腹に「平成27年度慶應義塾大学大学院卒業式」と大きく書かれた看板がかかっていて、その前で記念写真を撮ろうと卒業生の行列が出来ている。行列は、ご両親などと一緒に式に出席するらしい学生が大多数だ。きっと親の方が撮りたいんだろうなぁなどと連想する。特に家族が来るでもない独り身集団 [→続きを読む]

 3月28日朝8時、iPhoneのアラームが鳴って目が覚めた。極浅い眠りからの目覚めだ。前日の試合(前回記事参照)での反省と、この日やらなきゃいけないたくさんのことを考えてしまって、一晩中眠りに集中することができなかった。目は冴えているものの、身体は正直に寝不足と疲労を訴えている。まさにダル重たい感じ。カーテンを開くと、予報通りの雨空。「今日の雨は面倒くさいなぁ」とボヤきながらベッドから起き上がる。長い一日が始まった。 シャワーを浴びて、歯を磨いて、スーツに着替える。滅多に使わないワックスを、慣 [→続きを読む]