受験と言えばテストの点数で競うイメージがある。エッセイや活動履歴を含む出願書類を重視する米国の大学でもSATやACTといった標準テストのスコアをそれなりに重視するところが多い。多くの大学で入学許可者のスコアの範囲を公開しており、スコアとランキングにおける順位との相関性は高い。ところが先週木曜日にシカゴ大学が入試におけるSATやACTのスコアの提出を必須としない、と発表した。 UChicago Empower Initiative Launched(シカゴ大学アドミッションズ) Class of [→続きを読む]

5月30日に早稲田大学の看板学部である政治経済学部が2021年度の一般入試の概要を発表した。 – 独自試験は日英両言語の長文問題のみ – 独自試験の配点は全体の3分の1程度(残りは大学入学共通テストと英語外部検定試験) – 定員を33%(150名)削減 と自ら「一般入試改革」と銘打っている通り、かなり思い切った変更になっている。これとは別に2021年度入試から早稲田大学全体で一般入試においても出願時に、「主体性」「多様性」「協働性」に関する経験を記入させること [→続きを読む]

学びの上で反復練習は不可欠だ。反復練習なしに上達することはない。人間が上手に歩けるようになるためには試行錯誤が必要で、赤ん坊がつかまり立ちをしてから、伝い歩きを経て、一人で歩けるようになるまでには数か月かかる。転ばずに上手に歩けるようになるのはさらに先だ。赤ん坊に練習しているという意識はないだろうが同じことを何度も繰り返すことによって初めて歩けるようになる。 学習や技能向上のために反復練習が大事なのは間違いないと思うが、その効果的な方法については意見が分かれる。たとえばバスケットボールのフリース [→続きを読む]

やるべきことが少ないとやる気が出てすぐに終わらせられるのに、やるべきことが多過ぎるとやる気が出ず、全くやらずじまいになってしまう。テストの出題範囲が限定的であればしっかり対策をする気になるが、範囲が広すぎると何もやらないままになる。頑張っても結果に結びつかないという無力感を覚えるのだろう。実際、特定の英単語100語の試験であれば、1語覚えるごとに100点満点中1点上げることができるが、5000語の中から100語が出題されるとなると1語覚えてもその単語が試験に出る可能性は2%に過ぎず、100点満点 [→続きを読む]

ネットで調べものをするときにかなりの確率で頼ることになるのがWikipediaだ。Wikipedia自体で調べてみると4月26日時点で、299言語に亘る47,876,804の記事があるとのこと。2001年1月に始まった(これもWikipediaで確認した)ので20年足らずでここまで来たということだ。すばらしい成果だと思う。 誰もが自由に編集できるWikipediaの成功は自明ではない。初期の頃にWikipediaのようなプロジェクトはうまくいかないと思っていた人は少なくないだろう。今でも懐疑的な [→続きを読む]

動いているものに力を加えないとそのまま動き続ける、という慣性の法則を初めて聞いたときの違和感はとても大きかった。野球のボールをどんなに遠くに投げても、目に見える範囲で地面に落ちて、ゴロになって、最後には止まってしまう。サッカーボールを蹴って、最初は勢いよく転がせても見る見るうちに勢いがなくなりやがては止まってしまう。氷の上であればなかなか止まらないのはイメージができるがそれでもそのうち止まってしまうのは感覚としてわかっている。それが何らかの力が加わっているからでそうでなければそのまま動き続けると [→続きを読む]

春分の日が過ぎて桜が満開になってわくわくする感じがするのは日本では4月から新しい年度が始まることもあるだろう。小学校から中学校へ、中学校から高校へ、高校から大学へ進学する際には不安と期待で胸が膨らむ。中でも大学に入学するときには、どんな授業を取ろうか、サークルや部活は何がいいかな、バイトは何しよう、と選択肢がたくさんあって考えるのが楽しい。特に、第二外国語は何にしよう、自然科学系の科目はどれにしよう、と履修する科目を組み立てることは知的な興奮を誘う。私自身は勉強熱心な学生だったとは言い難いけれど [→続きを読む]