CouseraやedXなどのMOOC(Massive Open Online Courses)はインターネットを通じて良質の学習コンテンツを無料で配信していて大きな価値を生み出している。米国をはじめとする世界の一流大学の教授の学習コンテンツを世界中の人が無料で利用できる意義は小さくない。しかし、こういった無料あるいは安価な学習コンテンツが教育格差をなくす、という主張は、一見説得力があるが本当かどうかは議論の余地がある。 教育社会学者である苅谷剛彦氏の「大衆教育社会のゆくえ」という著書によれば、少 [→続きを読む]

Facebookの友達同士の「いいね」であればまだしも、たとえばYahooニュースのコメントに対し「そう思う」あるいは「そうは思わない」とクリックすることにどんな意味があるのだろう?自分一人がクリックしても全体の数字にほとんど影響はないし、仮に多少の影響があったとしても、ほとんどの記事は数日で誰にも見られなくなる。それに比べたらコメント自体を書くことはまだ自分の考えを直接的に表明できるのでまだ意味があるのかもしれない。そうは言っても、これは匿名のネット掲示板や口コミ情報サイトでも同じだが、少なく [→続きを読む]

IBMのノートブックPCの工場でエンジニアとして勤務しているとき、製品の品質を確認する指標としてFPY(First Pass Yield: ファーストパスイールド)の数字が重視されていた。製品を部品から組み立ててテストを行うと工程の終わりまでに一定数の不良品が出る。原因は特定部品の不良であったり、組み立てのミスであったりするのだが、多くの場合、部品を交換したり、組み立て直したりして正常の状態に戻した上で、再度テストして出荷できる状態にする。一方で大多数の製品は、最初から最後まで一度もテストでエラ [→続きを読む]

以前私が勤めていたIBM社では、1980年代後半、世界で40万人以上の従業員を抱えていたが、その後、1990年前半の急激な収益悪化もあり、大胆なリストラで従業員の数を20万人近くにまで減らした。その間、売上が多少落ちた年もあるが大きくは変わっていない。その後、業績が回復し、売上も4割程度増え、現在では再び40万人以上の従業員が働いている。 すでに動いているビジネスを回すだけであれば、ある程度人数を減らしてもしばらくは差し支えないのかもしれないが、半分近くにまで減らしても売上が変わらないのは減らす [→続きを読む]

米アップル社創業者のスティーブ・ジョブズは製品のデザインの美しさへのこだわりで有名だがそれは消費者が見える部分に留まらない。優れた工芸品は見えないところもすべて美しく仕上がっているものだという父親の教えから、彼はアップルの製品の見えない部分にまでこだわった。ユーザーが目にすることのない、マッキントッシュ内部の電子基板の部品の配置でさえ、美しさを基準に評価したという。 仕事は社会、あるいは、自分以外の人に何らかの価値を提供するものだが、それを通して、自分自身を満足させるものでもある。医師が患者を治 [→続きを読む]

予備校・塾業界では映像授業の普及が進んでいる。コストを考えると必然の流れなのかもしれない。映像であれば、どんなに多くの人が見てもコストはあまり変わらず、たとえば何十万人もの生徒がそれを見れば、生徒1人あたりの負担コストを大幅に下げることができる。しかも、生徒は最も定評のある講師の授業を受けることができる。洋々でも積極的にネットで動画講義を視聴できる仕組みを積極的に採り入れてきた。新しい生徒が来るたびに講師が同じことを話すのは無駄な気がするし、映像にしておけば生徒が必要なときに必要なところだけ見ら [→続きを読む]

やらなければならないことがたくさんあると何らかの方法で管理しないとわけがわからなくなる。頭で覚えてられるのはせいぜい3つくらいまででそれより多いとメモに残さないと忘れてしまう。しかしこのメモを一元管理するのがなかなか難しい。やらなければいけないことを思いつくたびにいろいろなところにメモをすると折角メモを取ったのにそのメモがどこかに行ってしまったりする。社会人になり立ての頃から自分なりに工夫していろいろな形のToDoリストを作ってきたがどの方法もなかなか定着しない。 最初はポストイットや裏紙などに [→続きを読む]