先日藤井聡太王座と永瀬拓矢九段の間で行われた将棋の第72期王座戦五番勝負第2局は76手目まで30分以内に指される、というハイペースな序盤の将棋だった。お互いが研究し尽くした手を打ち合ったということだろう。 将棋には定跡がある。先手と後手がお互いに最善と考える指し方が定跡だ。定跡に沿って指す場合は1手1手に時間をかける必要はない。それまでに十分に時間をかけて研究された手だからその場で一生懸命考えてもそれよりいい手を思いつくのは難しい。先日の王座戦の指し手はまだ定跡といわれるものではないかもしれない [→続きを読む]