IBMのノートブックPCの工場でエンジニアとして勤務しているとき、製品の品質を確認する指標としてFPY(First Pass Yield: ファーストパスイールド)の数字が重視されていた。製品を部品から組み立ててテストを行うと工程の終わりまでに一定数の不良品が出る。原因は特定部品の不良であったり、組み立てのミスであったりするのだが、多くの場合、部品を交換したり、組み立て直したりして正常の状態に戻した上で、再度テストして出荷できる状態にする。一方で大多数の製品は、最初から最後まで一度もテストでエラ [→続きを読む]

以前私が勤めていたIBM社では、1980年代後半、世界で40万人以上の従業員を抱えていたが、その後、1990年前半の急激な収益悪化もあり、大胆なリストラで従業員の数を20万人近くにまで減らした。その間、売上が多少落ちた年もあるが大きくは変わっていない。その後、業績が回復し、売上も4割程度増え、現在では再び40万人以上の従業員が働いている。 すでに動いているビジネスを回すだけであれば、ある程度人数を減らしてもしばらくは差し支えないのかもしれないが、半分近くにまで減らしても売上が変わらないのは減らす [→続きを読む]

米アップル社創業者のスティーブ・ジョブズは製品のデザインの美しさへのこだわりで有名だがそれは消費者が見える部分に留まらない。優れた工芸品は見えないところもすべて美しく仕上がっているものだという父親の教えから、彼はアップルの製品の見えない部分にまでこだわった。ユーザーが目にすることのない、マッキントッシュ内部の電子基板の部品の配置でさえ、美しさを基準に評価したという。 仕事は社会、あるいは、自分以外の人に何らかの価値を提供するものだが、それを通して、自分自身を満足させるものでもある。医師が患者を治 [→続きを読む]

予備校・塾業界では映像授業の普及が進んでいる。コストを考えると必然の流れなのかもしれない。映像であれば、どんなに多くの人が見てもコストはあまり変わらず、たとえば何十万人もの生徒がそれを見れば、生徒1人あたりの負担コストを大幅に下げることができる。しかも、生徒は最も定評のある講師の授業を受けることができる。洋々でも積極的にネットで動画講義を視聴できる仕組みを積極的に採り入れてきた。新しい生徒が来るたびに講師が同じことを話すのは無駄な気がするし、映像にしておけば生徒が必要なときに必要なところだけ見ら [→続きを読む]

やらなければならないことがたくさんあると何らかの方法で管理しないとわけがわからなくなる。頭で覚えてられるのはせいぜい3つくらいまででそれより多いとメモに残さないと忘れてしまう。しかしこのメモを一元管理するのがなかなか難しい。やらなければいけないことを思いつくたびにいろいろなところにメモをすると折角メモを取ったのにそのメモがどこかに行ってしまったりする。社会人になり立ての頃から自分なりに工夫していろいろな形のToDoリストを作ってきたがどの方法もなかなか定着しない。 最初はポストイットや裏紙などに [→続きを読む]

明日30日から始まるアジア安全保障会議に出席するためにシンガポールを訪問予定の安倍首相は、現地滞在中にカジノの視察を予定しているという。今国会でカジノ法案(特定複合観光施設区域整備推進法案)が成立するかどうかは予断を許さないが、カジノ合法化について国民の間でも認知度が高まり、徐々に受け入れる土壌ができつつあるように感じる。外国からの観光客の増加で一定の経済効果が期待できるし、税収の増加も見込めて推進派の気持ちも理解できる。 私は必ずしもカジノに反対するわけではないが、休日に朝からパチンコ店の前で [→続きを読む]

テスト勉強をしなくてはならないのになかなか手がつかないことがある。勉強は本質的に楽しいことだがその一方で面倒なことでもある。そのため、やり始めるところの敷居が高い。やり始めたら意外と進んで、何でもっと早く始めなかったんだろう、と後悔したりする。そこまでいくと今度は逆にきりがいいところまでやりたくなる。確かにきりがいいところまで進むと気持ちよく止められる。しかし、きりがいいところまで終わると、再び取り掛かるのが億劫になる。そうするとまた始めるまで時間がかかる。この繰り返しで、いつもやるべきことにな [→続きを読む]