象は大きくて鼠は小さい。人間から見ての話だ。蟻は鼠よりさらに小さいし、プランクトンは蟻よりさらに小さい。プランクトンと一言で言ってもミジンコのように1mmくらいの大きさのあるものもあれば、植物プランクトンの中には0.01mmくらいしかないものもある。プランクトンの大きさなど普段はあまり気にしないし、とても小さい生物くらいの認識しかないが、実はプランクトンと一括りに言ってもその中にも象と鼠くらい差がある。 今世界で警戒が強まっているエボラ出血熱はウィルスを病原体とする感染症だが、そのウィルスの大き [→続きを読む]

クレジットカードの不正使用が増えているという新聞記事を読んだ。大手家電量販店で店員が客のカード情報を盗んで不正使用した、という例もあったという。 クレジットカードは日本でも使用できる場所が増えて日常生活に欠かせないものになりつつある。カード市場は右肩上がりで成長し、経済産業省によれば昨年2013年の取扱高は前年比9%増の40兆3227億円。特にインターネットとの親和性が高く、クレジットカードがなければインターネットの商用利用はここまで普及していなかったかもしれない。サイトに一度カード情報を登録す [→続きを読む]

人には得意不得意がある。それは仕方のないことだと思うが自分の得意不得意を必要以上に決めつけて自分の能力を見限ってしまうのは勿体ない。私自身のことを振り返ってみても中高生の頃、歴史、地理のような科目が好きでなかったし成績もあまりよくなかった。自分は理系だと思っていたし、理系は社会系の科目が不得意なものだと思っていて、勉強にもあまり時間をかけなかった。しかし、理系、文系というのはそこまで明確に分けられるものではない。私は大学院でビジネスを学んだが、ビジネスは理系か文系かと言われるとよくわからない。日 [→続きを読む]

CouseraやedXなどのMOOC(Massive Open Online Courses)はインターネットを通じて良質の学習コンテンツを無料で配信していて大きな価値を生み出している。米国をはじめとする世界の一流大学の教授の学習コンテンツを世界中の人が無料で利用できる意義は小さくない。しかし、こういった無料あるいは安価な学習コンテンツが教育格差をなくす、という主張は、一見説得力があるが本当かどうかは議論の余地がある。 教育社会学者である苅谷剛彦氏の「大衆教育社会のゆくえ」という著書によれば、少 [→続きを読む]

Facebookの友達同士の「いいね」であればまだしも、たとえばYahooニュースのコメントに対し「そう思う」あるいは「そうは思わない」とクリックすることにどんな意味があるのだろう?自分一人がクリックしても全体の数字にほとんど影響はないし、仮に多少の影響があったとしても、ほとんどの記事は数日で誰にも見られなくなる。それに比べたらコメント自体を書くことはまだ自分の考えを直接的に表明できるのでまだ意味があるのかもしれない。そうは言っても、これは匿名のネット掲示板や口コミ情報サイトでも同じだが、少なく [→続きを読む]

IBMのノートブックPCの工場でエンジニアとして勤務しているとき、製品の品質を確認する指標としてFPY(First Pass Yield: ファーストパスイールド)の数字が重視されていた。製品を部品から組み立ててテストを行うと工程の終わりまでに一定数の不良品が出る。原因は特定部品の不良であったり、組み立てのミスであったりするのだが、多くの場合、部品を交換したり、組み立て直したりして正常の状態に戻した上で、再度テストして出荷できる状態にする。一方で大多数の製品は、最初から最後まで一度もテストでエラ [→続きを読む]

以前私が勤めていたIBM社では、1980年代後半、世界で40万人以上の従業員を抱えていたが、その後、1990年前半の急激な収益悪化もあり、大胆なリストラで従業員の数を20万人近くにまで減らした。その間、売上が多少落ちた年もあるが大きくは変わっていない。その後、業績が回復し、売上も4割程度増え、現在では再び40万人以上の従業員が働いている。 すでに動いているビジネスを回すだけであれば、ある程度人数を減らしてもしばらくは差し支えないのかもしれないが、半分近くにまで減らしても売上が変わらないのは減らす [→続きを読む]